終幕 泡沫となりて
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ただ、その唇から詩句が滑り出てくる。 長谷雄はそれをわかっている。 それが、素晴らしい詩句であることもわかっている。 しかし、それがいったい何だというのか。 きらびやかな詩句が、ただ自分の唇から洩れてくるだけだ。 それには、もはやどのような感動もない。 死人が詩句を詠んでいるようなものだ。 澄澄遍照 禁庭之草載霜 皎皎斜沈 御溝之水含玉
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