序章

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本当にこんな事は初めてだった。 自分の一言で、彼女が悲しんでいる。 それがただなんとなく嫌だった。 『い、いや。やっぱりやるよ。頑張ってみる。』 『よかった!じゃあよろしくね!』 多分、この時は体が弱い事なんて、忘れていたんだな。 この女子の名前を、佐藤瑞穂。 クラスで人気の元気な女子だった。 当時、どうしてそんな女子が俺に?と、ずっと疑問に思っていた。 『今日の放課後から練習だからね!龍一君!』 本当にこの子は元気がいい…… そして、放課後。 誰も居ない、グラウンドで2人練習の準備をしていた。 『龍一君ってさ、運動苦手なの?』 作業をしていると、佐藤から声がかかった。 『苦手……。まぁ苦手より、生まれつき体が弱いから運動が出来ないんだ』
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