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鎮の部屋と俺の部屋は向かい合わせだ。
間にはリビングとキッチンがある。
他にはトイレ、風呂、もう一つ和室がある。
と言っても、6畳くらいの部屋だ。
その和室にはタンスなどの家具が置いてある。
鎮と同棲して半年、こんなに辛い同棲生活なんて思わなかった。
鎮が浮気をしていることに気付いたのは同棲して2ヶ月後くらい。
夜中喉が渇いたので、キッチンに行こうと部屋を出た。
すると、鎮の部屋から話し声が聞こえてきたので最初は電話かな?と思った。
特に気にせずキッチンに行き冷蔵庫からお茶をだしてコップに注いだ。
そしてお茶を飲み干してコップを濯ごうとした時に、鎮の部屋から「…ああんっ……鎮ぅ……」と言う女の人の声が聞こえた。
そこで俺はああ、浮気されたんだ…。と意外にも冷静に思った。
でも冷静だったのは一瞬で、その後物凄く動揺した。
なんでなんでなんでなんで!
俺と付き合っているのにどうして浮気するの?
俺は自分の部屋に戻り、ベッドに入って一人寂しく泣いた。
勿論声を押し殺して。
その日から俺は奈落の底に落ちていった。
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