暗雲の霹靂

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  何回かチャイムが鳴ってから校内放送が流れた。 〈1年2組の中込望くん、職員室まで来てください〉 呼ばれている理由はわからなかったけど、次にすべき事が出来て良かった。 呼び出しが無ければここから一生出れなかったかもしれない。 ぼくは上履きを見るとまた泣いてしまう。情けない。けど、立ち止まっているわけにもいかない。 ぼくは裸足(靴下)で職員室まで歩いて向かった。授業中なのか廊下には誰も居ない、なんだか変な感じだ。 今は生徒には誰にも会いたくなかったから、誰も居なくて良かったとホッとしていた。 「おはよう靴下少年くん、ちょっと聞きたい事があるんだけど良いかな?」 後ろから誰かに声をかけられた。振り向くと同じくらいの年齢の男子学生がいた。 「1年2組ってどこにあるか知ってる?」 そんな馬鹿らしい質問をした後、僕が手にもっていた上履きを見た。 「――っ……!!?」 見られた!! ぼくはその場から逃げ出す。無様に走って逃げた、靴下のせいかよく転んだ、それでも逃げた。
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