プロローグ

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平成X年11月01日 午前1時00分 桑原家 スケベは寝ていた。 はっきり言って明日仕事だし、俺は貧乏だからやる事もなく、ただ無駄に時間を消費する駄目人間なんだよ。 しかし、こんな人間にも電話してくれるダチ(友達)も居るらしい。早速着信10回の例の「鬼コール」で起こしてくれやがったよ。 「ohもしもし」 「桑原君聞いて!?凄いのを発見したよ!」 「マジで?」 聞いてもないのにマジとか言うのは、寝惚けているせいだ。 「聞いて聞いてね。あのね、究極交流掲示板でさぁーあ、ヤバイスレがあって、見てみたらザキレンみたいな矢見島があるんだって!」 「あ~あれじゃろ?映画やゲームの撮影に使われた東京の下辺りにある島の事じゃろ?」 「違う違う。それじゃない。今調べたんだけど、究極におるコテの奴が見付けた島で、まだ日本地図にも載ってない場所」 「ヤバイね」 「桑原君休みいつだっけ?」 「休み?確か今月の月末に4日ほどあるよ」 「行こうや」 「でも俺金ないから」 「お願い」 「悪夢様大丈夫?東京だと往復3万位いるよ」 「大丈夫よ。今貯金二桁余裕であるし。桑原君行こうや~オタクとか誘ってさぁ」 「うーん無理かな。冬だしああいう所には夏に行きたいし」 「ねぇお願ーい」 「うーん」 「お願いよ〰」 「分かったよ」 「やったぁ!絶対によ」 「オーケー」 「休みになってドタキャンとか絶対にせんといてよ」 「もちろんさぁ」 「約束ね」 「おぅ」 「じゃあまたね」 「バイバーイ」 「はい」 俺はドキドキしていた。東京に行ける金も無いのに、行くと返事した事。こんな大切な用事を外すのが俺である。 まぁ、行けるなら。 行ってみようか。
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