第一章「日常」

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平成X年11月02日 午後19時25分 亞品駅北口階段下 何時もの様に遊ぶ為に悪夢様とスケベは、オタクの到着を待っていた。 何時もの様に・・・と言えばここでゴンザレスと遊ぶのだが、彼は今音信不通であり、仕方なくオタクを呼ぶに至る。 悪夢様は、仕切りにスケベに話をしていた。駄目かもしれないけれど、オタクも「矢見島探検旅行」に誘おうと。 正直二人はオタクの到着が待ち遠しかった。 「お待たせ~」 ヒョロヒョロの代表とも言えるモヤシっ子であるオタクは、端から見てもひ弱である事が解る男だ。 「とりま公園に行こうや」 悪夢様が決めて、スケベやオタクはそれに従う。打ち合わせていないが、いつからかこうなった。 三人は歩きながら、それぞれのタイミングで煙草に火を付けた。 「オタクさぁー。今月ヒマ?」 「えーっとねー、今月はうーん多分大丈夫だと思うよ」 「多分とかじゃ駄目だし、ねぇスケベ君」 「おう。お前多分じゃ予定は立たんよ。俺らはお前と遊びたいけぇ聞いとるのに、お前が「多分」とか言いよったら、こっちはオタクは俺らと遊びたくないんだなと思うし」 「ないないないないないない」 「って冗談だって」 「よかった~」 こんな得にもならない会話が彼らは楽しかった。 毎日会っていたら辛くない?ではなく、その逆だ。何故かと言えば彼らは毎日新しい笑いを生み出しているからだ。 悪夢様は唐突にオタクに話を切り出した。 「ところでオタク矢見島に行かない?」 「えっ何?」 「矢見島」 「やみ島?」 「そう。究極であったんだけど、めっちゃヤバい島。しかもまだ日本地図にも載ってない島。ってかお前究極やっとるけぇ知っとる?」 「知らない知らない。へぇ~なんか凄そうだね」 「はっ?凄そうとかじゃなくて凄いし。馬鹿なん?日本地図に載ってないって言ったじゃん」 「ごめんごめん」
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