第一章「日常」

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「スケベと一緒に行くんだけど、オタクも来る?」 オタクは少しも迷う事もなく 「ごめん。無理かな~。今月のお小遣い使い果たしちゃったし」 「え~行かんのん?来ると思ったし」 「そうでお前、この世の中に東京行くって言って行かんとか抜かす奴が居ると思うんか?」 「ん~と、じゃあ、僕のフィギュアを売って金を作るよ」 「行く?」 「うん。行くよ~」 「やったぁ!ドタキャンとか絶対に無しよ」 「うん。解った~」 これで三人は矢見島に行く事になった。オタクもスケベも馬鹿だったと今になって後悔していた。 東京に行く為には最低往復3万円必要だ。更に泊まるとなれば2万円。遊ばなくとも5万円の金が必要だ。 スケベは借金まみれでお金など用意出来る訳が無い。 オタクはフィギュアを売ると言っていたが、オモチャで万単位売れる理由が無いから、虚勢ばかりの嘘だろう。 悪夢様は言い出しっぺだから間違いないだろう。 スケベは歩いている間、ずっとそんな思考をめぐらせていた。 (後でオタクと二人で会って金の事をどう工面するか話し合わなくちゃな) そして三人はようやく公園に到着した。
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