Bag Voice(表)

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朝早くに起き、電車に10分程揺られて、目的の場所に着いた僕は、夕べから何度も何度も面接の受け答えを練習した事を思い出し、頭の中でイメージトレーニングをし続けていた。 面接形式は面接志望者5人に対し面接担当者3人という形式で、5人ずつ交代で面接を受けるといった感じだった。 何をしている会社なのか?というと普通に金融関係の仕事をしている会社である。 なんで金融?と聞かれれば沈黙を返さざるを得ないのだけれど。 正直あまり理由は無い。 今は大学3回生の夏休み。 周りが就職活動をし始め、なんとなく不安に駆られた僕は、適当な就職口を見つけ、なんとなく就職活動を始めたのだった。 ガラガラ。 と僕の前にいた5人が面接を終わらせて、部屋から出てくる。 そろそろ僕達の番が回ってくる。 落ち着け。落ち着け。 昨日あんなにうまく練習では言えたじゃないか。 綾波レイの等身大DOLLが相手なら… 「「では、次のグループの方。」」 と、入室の合図が聞こえる。 失礼します。 と、一礼して面接官の前におかれた椅子へと迷うことなく座っていく。
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