From 雨唄

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「あのさ」 海羅はレインを抱え、俺の膝の上に下ろした。 「妊娠したみたい」 その言葉に、にゃぁーとレインが答えた。 「妊娠?! マジで?!」 俺はレインを抱え上げでお腹のあたりを見た。 ちょうどもう1匹ほしいと思ってたところなんだよなぁー。 「良くやったぞ、 レイン!!」 俺はさらに高くレインをあげた。 きっと家の外で盛ってきたんだろう。 レインはにゃぁーにゃぁー鳴いている。 だらーっと伸びている姿が何とも可愛らしい。 「はぁー……」 俺がレインの妊娠にはしゃいでいるとそれを見ていた海羅は 肩を落とし、深い溜め息をついた。 「なんだよ、うれしくないの?妊娠。」 俺はレインを降ろして、また膝の上にのせた。 「うれしいよ」 海羅はネコが好きで将来は絶対ネコを飼いたいって言っていた。 その好きなネコがまた増えるんだからもうちょっと喜べば良いのに。 「ならもっと喜んでやれよ。 レインが可哀想だぞ。 なー、レイン」 俺はレインを撫でながら話し掛けた。 すかさず、にゃぁーと答えたが返ってくる。 「違う」 海羅は膝を抱えて丸くなった。
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