1-失う

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「な、何なんだよ、これは」 訳がわからなかった。 いきなり過ぎたのだ。 俺の目の前には血だらけの莉奈が倒れている。 まだ息はある様だ。 玄関に血が広がっていく。 莉奈は苦しそうに少し体を起こし、俺を見る。 「私、死んじゃうのかな?」 俺は我に返った。 「ま・・・だ、死にたくない。死にたくないよ」 「死なせない。絶対死なせないから」 「お願い。た・・すけ・・て」 莉奈が俺に手を伸ばす。 莉奈は倒れこむ。 もう二度と起き上がる事は無かった。 8月15日 PM01:00 千藤莉奈殺害まであと20時間 蒸し暑すぎるアパートの一室。 そこに大勢の男共がいるとなると、そこは地獄だ。 俺の部屋には刑事や警察官が来ていた。 彼らは、昨日俺の部屋を荒らした空き巣の件で来ている。 最近ちまたを賑わしている連続空き巣犯。 なんでも、それと手口が似ているらしい。
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