ヒロの休日 二日目

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…… 『……妹さんに何かプレゼントしてみたらどう?』 食後、みんなで駅前をぶらぶらしていると委員長がそんな事を口にする。 「プレゼント?」 『さっき言ってたじゃない。 昨日、礼を言おうとしたんだけど結局言えなかったんだよな……って』 「あぁ、中々タイミングが合わないっつーかな。 改めて言おうと思うと、 ……恥ずかしいつか、なんか言えなくてな」 『だからよ。 言葉がダメなら形で伝える。 いわゆる、プレゼント作戦』 「なるほど、いいかもな」 『そうでしょう? パッと渡して、パッと礼を言う、 重要な時に限って口下手になる貴方にはピッタリだと思うわ」 「……良く知ってらっしゃる」 『何年幼馴染みやってると思ってるの? 昔から重要な時に限って変に意識しちゃうのよね、貴方』 「イヤ、ハハ、おっしゃる通りで」 『むぅ?口下手?』 聞き慣れていないのか、口下手と言う言葉に反応するふみなちゃん。 『そ、お兄ちゃんは口下手なのよ、 お兄ちゃん、昔っから恥ずかしがり屋なの』 『恥ずかしがり屋?』 「ちょ委員長、 ふみなちゃんに変なこと刷り込まないでくれよ」 『むぅ!お兄ちゃん、口下手の恥ずかしがり屋さん☆』 委員長の言う言葉をしっかり覚えてしまった、ふみなちゃん。 恐るべし委員長の刷り込み。
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