ヒロの休日 二日目

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「つか、何を買えば良いんだ」 とりあえず駅近くを回る俺達。 『何を……って。 それは貴方が考える事じゃないの』 「マジですか」 委員長に頼るつもりだった俺。 『……あのね、 プレゼントはプレゼントが大事なのよ?』 「そりゃプレゼントがなけりゃプレゼントになんないからな」 『違うわ。 あるないの話じゃなくって その内容の話』 「……内容?」 『そう、内容。 いい? この作戦はプレゼントをあげる相手がどれだけ驚き、喜ぶかに意味があるの。 そのためには、 妹さんの事をよく知っている貴方自身が妹さんの趣味趣向に合わせプレゼント選ぶべきなの」 「よく知ってるって……由佳里の趣味趣向なんてわかんねぇよ」 ……俺の思い付く物はバナナぐらいしかない。 『深く考える必要はないわ。 普段の妹さんの服装や、身につけているものから好きな物を連想すればいいの。 人間、意識しなくとも知らない内に服装や身につける物を自分の趣味に合った物を選んでるものよ』 服装……か、 でも、 普段の由佳里の普段は地味なという訳ではないが、あまり特徴のない服装だし。 身につけてる物なんてのは普通の腕時計ぐらいしかない。 そもそも由佳里は、あまり自分の趣味とかを表に出さないタイプだと思う。 普段の由佳里の服装やらを見ていて俺はそう思う。 ……自由放任主義の俺の両親と違い由佳里は厳しい教育を受けている、 あまり趣味趣向を表に出さないように仕付けられているのかもしれない。 …… ……そういや、昨日の由佳里のパジャマ。 もしかしたら、ああ言うのが好きなのかも。 ……でも、そんな感じの物をプレゼントしても外とかで身につけなさそうだよな。 ……とすると。 目立たなく由佳里の趣味趣向にあった物。 「……リボン」 『リボン?』 「由佳里は自分の趣味趣向を表に出すのを好まない。 だとしたら目立たない物がいい。 目立たなく由佳里が普段身につけてるもの。 リボンだ」 『なんだ、妹さんの事わかってるんじゃないの』 「いや、委員長のアドバイスのおかげだぜ」 『別に大した事言ってないわ。 それより、決まったなら行きましょう?』 「おう!」
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