ヒロの休日 二日目

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『隠れても無駄にございます、おとなしく投降なさい』 「冗談じゃないぜ、簡単に諦められっかよ」 ただ今、綾美の追跡を振り切るべく、 庭園を囲む森の木の上にいた。 ……まずい、 このままだと捕まっちまうのが、いつものパターンだ。 なんとか逃げ道を…… 逃げ道を探す俺の目に、ふとあるものが目に留まる。 ……別館の門だ。 別館、親父達には別館に行くなって言われてるが…… 『さぁ、早く! 今なら、軽いお仕置きで許してさしあげます!』 軽いお仕置きで許すって……なぁ 綾美の軽く、なんて信じらんねぇし。 仕方がねぇ、背に腹は変えられねぇっていうし。 俺は、なるべく音をたてない様に木から木へと飛び移りながら別館の施錠されている門の近くまで行き、 「……よっ」 無事木の上から門を飛び越えた。 「……ぃで!」 着地には失敗したが。
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