ヒロの休日 二日目

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『ばう、ばう!』 依然、俺の顔をペロペロするわんこ。 「ク、人の顔ペロペロしやがって! 殺るなら一思いに殺りやがれ!」 と、その時 『ペロ~どこ~?』 『ばう?』 突然、遠くより聞こえてきた声にペロペロをやめるペロ、どうやら、ペロペロしていた犬はペロて言うらしい……何かまどろっこしいな。 「た、助かった?」 コツコツと近いてくる足音。 『ペロ!ダメでしょ! かってにいなくなったら!』 『ばう!』 声の主の方に行くペロ。 「ぬ?誰だ?」 ペロの向かった方に視線を向ける。 『……え、誰っ?』 そこには少し怯えた瞳で俺を見る少女がいた。 ヤバい、怖がられてる……悲鳴でも上げられたら綾美に気づかれちまう 「……いや、俺は怪しい者じゃなくてだな、名前は」 立ち上がる俺、しかし 「ぅぐ、出川!」 依然、腰はマジ出川(訳‐腰が痛いの意) 『出川さん?』 首を傾げる少女、 「いや、出川じゃないっす俺は……痛ッ、ヤベーマジ出川」 腰の痛みに膝をつく俺 『出川さんケガしてるの?』 俺を心配し俺に近く少女 「いや、出川じゃないんだけど、腰はマジ出川な訳で……うぐ」 倒れる俺。 『大丈夫?出川さん?』 俺の横に心配そうに、しゃがむ少女。 「うぐ、とりあえず出川でいいっす。 すまないけどベンチまで連れてってくだしゃい」 『うん、わかった!』
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