ヒロの休日 二日目

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しばし、少女とぬいぐるみで遊ぶ。 そんな時、 ふと、ささやかな疑問が生じる。 目の前で楽しそうに遊ぶ少女。 ……コイツ、誰だ? てな今更な疑問。 この敷地内の屋敷にいるつー事は、 おそらくは親類のはずだと思う……。 「あのさ」 『うん?』 「名前なんてーの?」 『名前?』 「そ、名前」 『私は篠村 由佳里だよ!』 「篠村? 村瀬じゃなくて?」 『うん、別に普通でしょ? 出川さんだって村瀬じゃないじゃない』 「いや、出川じゃないんだけど」 『え? 出川さんじゃないの?』 「あぁ、俺は……」 ……と、その時 『……おやおや、 もしやと思いまして来てみれば、 こんな所にいらっしゃったのですね?』 「……へ?」 振り返ると、 「……あ、綾美」 鬼がいた。
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