ヒロの休日 二日目

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……やべ~なオイ。 『さて、鬼ごっこは終わりにいたしましょう』 依然、唯一の退路である部屋のドアに立ち塞がる綾美。 「……くそ」 背後には窓はあるが……とても飛び降りれるような高さじゃない。 『しかし……まさか別館に逃げ込むとは。 近づくなと貴方のお父上から、お聞きになられていたはずですが?』 「いや……その、なんつーの、 勝つためには手段は選ばない的な……ね?」 すると綾美は以外そうな顔をして言った。 『ほぅ、なるほど。 勝つためには手段を選ばない……と。 御当主様がお聞きになられたら喜ばれるでしょう』 お、以外に好感触。 「だ、だろ?」 上手くいけば無罪放免に…… 『しかし、それとこれとは別の話。 主たるもの、些細なる約束事であろうとも守るべきです』 小さな希望を断ち切るように綾美が語調を強めて言う。 「……ぬぅ」 ……ごまかしても無駄か お仕置きを免れる事は叶わないようだ。
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