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『おめぇさんが、大したことねぇと思っててもよ、
俺ら夫婦にとっては、ふみなは宝もんだ。
だから感謝してんだよ』
「どんな奴かもわからない人間なのに?」
『それは心配してねェ、
ふみなが気に入るヤツに悪いヤツはいねェからな!
俺からみても、おめぇさんはイイヤツだってわかるぜ?』
「う、うっせ、
とにかく……だとしても代金を払わない訳にはだな」
『でしたらコレは借し。と言う事にしませんか?』
「……どうやって返せば?」
『今後とも、ふみなをよろしくお願いする、
というのはどうでしょうか?』
「えと、つまり?」
『言葉のとうりです、
私達は魚屋さんが忙しくて、ふみなの相手をあまりしてあげられません。
朝も仕入れのために家を空けて、ふみなを一人にしてしまう時もあります。
ふみなは表には出しませんが、きっと寂しいはずです。
そんなふみなを町で見かけたり、魚屋さんを利用しに来た時に、
すこし、相手をしてあげて欲しいんです』
……大事にされてんだな、ふみなちゃん。
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