ヒロの休日 三日目

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……乗る前から由佳里の態度は明らかのおかしかったし、 今思えばジェットコースターに乗るべきじゃなかった。 今更だが、そんな考えが頭を過ぎる。 ……しかし、時すでに遅し。 ランプのカウントダウンは後一つ、今更降りる事はできるはずもない。 この由佳里の怯え様、 このまま発進したら……もしかしたら由佳里は泣いちまうんじゃないだろうか。 …… ……そういや、 ……昔、最後に屋敷に別れを言いに行った時も泣いてたっけ。 …… ……それは、ちょっと、何か……嫌だ。 何故だがわからないが、 幼い日の由佳理の涙を思い出すと胸が苦しくなった。 「由佳里」 『……うぅ』 「大丈夫だ」 『……?』 俺を見る由佳里の瞳は涙で既に潤んでいる。 「……大丈夫、兄ちゃんが手握っててやる」 そう言って俺は震える由佳里の手を握る。 「……な?」 『……うん』 ‐ピッ‐ 瞬間、最後のランプが点灯した。
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