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……
「……で、あのー、
なんと言うか……つまりそういうことなんだけど」
沈黙を打ち破るべく、
由佳里の反応を促す。
『……とっても、
とっても、おかしいです』
くすりと小さく笑いながら由佳里は言う。
「……へ?」
『いきなりテーマパークに誘って来て。
無邪気にアトラクションを遊んでると思ったら、
そしたら今度は突然、感謝の言葉を言いだしたり。
なんだか今日の兄さんはおかしかったです』
「…うぬ、確かに」
『でも、兄さんと遊ぶのなんて久しぶりで
本当に……その、楽しかったですし。
それ以上に、
とっても、うれしかったです。』
夕日に照らされる由佳里の照れた笑顔、
……その笑顔を見ると、
来て良かった。
ただ、そんな感情でさっきまでの恥ずかしいさやらは何処かに吹っ飛んでしまったのだった。
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