いやさ、楽譜とか古代文字にしか見えないっす。

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そんな訳で三河は俺の隣でしゃがむ。 『それで村瀬くんは何をしてるの?』 「見てわからんのか。 偵察だ、偵察」 『偵察?』 「そうだ軍曹。 ロリ眼鏡を打倒する為の下準備だ」 『はッ、ロリ眼鏡でありますか?』 「山田だ」 『なるほど』 「……そろそろだな」 『そろそろ?』 俺は腕時計を三河の前に突き出す。 『8時……25分?』 「そう、後5分で予鈴が鳴る。 そうしたら作戦決行だ」 『ぉお、作戦とは?』 「あぁ、いいか? 我々の目標は山田の象徴たる眼鏡を奪取することにある」 『めがね?』 「そうだ……考えて見たまえ。 山田とは眼鏡あってこその山田。 眼鏡無しの山田なぞ……もはや山田ではない」 『……でなければ何なのでありますか隊長?』 「……フッ、簡単な事だ。 ただの妹萌えの変態さんだ」 ……そう、クール眼鏡山田の眼鏡さえ奪ってしまえば山田はただの妹萌えの変態さんに成り下がる。 『……ぇえ、かわいそうだよ、やめよーよ』 「うっさいわ、山田の犯した罪がそれだけ重いという事だッ!」 『ぶーぶーはんたーい、暴力はんたーい』 ブーイングする三河。 ……しかし、この復讐劇はもはや誰にも止められぬ! -キーン-コーン-カーン-コーン- 予鈴が鳴る、 タイムリミットは5分。 「今だ!作戦開始!』 『……えぇ~』 「えぇ~、じゃない! いくぞ!軍曹!」 『ぶぅ……いえっさぁ~』 号砲の鐘と共に俺は勢いよく教室のドアを開け放った。
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