嫌な事ってのは突然来る。

17/20

246人が本棚に入れています
本棚に追加
/363ページ
……と、いつまでもふざけている場合でもない。 確か妹の由佳里、正確には親父の弟の娘、 つまり従妹である由佳里。 俺の記憶が正しければ由佳里はアメリカの高校に入学するはず。 となれば今の時期アメリカにいなければならないはずなのだが…… 「由佳里、 お前確かアメリカの高校に行くんじゃなかったのか?」 『……はぁ』 と、また由佳里がため息をつく。 なんとまぁ、こう、変わったものだ、 最近は全く会う事はなかったけど、 昔は『お兄ちゃん』と俺の事を呼びながら俺の後ろに引っ付いていた由佳里が…… ……今となってはマウンテンゴリラ並のおっかなさを持ち、ため息をよくつくような妹になった。 『兄さん、何故私がアメリカではなく。 今、 日本の、 しかも兄さんの家にいるか……でしたね?』 ……気のせいだろうか、 俺には由佳里の額に怒りのマークが浮かんでいるように見える。 俺的には是非、気のせいであって欲しい。 これ以上殴られては本当にミンチになっちまいそうだ。
/363ページ

最初のコメントを投稿しよう!

246人が本棚に入れています
本棚に追加