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……と、いつまでもふざけている場合でもない。
確か妹の由佳里、正確には親父の弟の娘、
つまり従妹である由佳里。
俺の記憶が正しければ由佳里はアメリカの高校に入学するはず。
となれば今の時期アメリカにいなければならないはずなのだが……
「由佳里、
お前確かアメリカの高校に行くんじゃなかったのか?」
『……はぁ』
と、また由佳里がため息をつく。
なんとまぁ、こう、変わったものだ、
最近は全く会う事はなかったけど、
昔は『お兄ちゃん』と俺の事を呼びながら俺の後ろに引っ付いていた由佳里が……
……今となってはマウンテンゴリラ並のおっかなさを持ち、ため息をよくつくような妹になった。
『兄さん、何故私がアメリカではなく。
今、
日本の、
しかも兄さんの家にいるか……でしたね?』
……気のせいだろうか、
俺には由佳里の額に怒りのマークが浮かんでいるように見える。
俺的には是非、気のせいであって欲しい。
これ以上殴られては本当にミンチになっちまいそうだ。
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