メロンパンとカプリスその2

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兄さんの言葉と共に静寂さが訪れる。 「何か、とは?」 ……私の言葉と共に静寂さは去りゆく。 『とにかく何かあった、 間違いない』 「はぁ、 なんの答えにもなってないですよ、兄さん」 兄さんの答えは実に不明瞭で具体性に欠く、まるで子供のような返答だ。 『絶対に、何かあった』 依然、兄さんは同じような言葉を繰り返す。 『変な事を言っていないで早く食べて下さい』 問いに取り合うつもりはない、 その意思を示すべく私は食卓の物に箸をつけ、食事を再開する。 そして飲み込み、また一言。 「早くしないと遅刻してしまいます」
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