メロンパンとカプリスその2

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私が飲み込むのを見計らい兄さんは再び口を開く。 『もう一度いうぜ? 何かあったろ、絶対にだ』 「何もありません」 ……いくら何でも、これは執拗と言わざるを得ない。 やや低めのトーンで私は言う、あえて言葉遣いも冷たく。 『何もなくねぇからいってんだっての』 対し兄さんの声のトーンと音量は高まり、そして語調が荒れる。 「一体なんなんですか、何かあったなんて曖昧な理由で」 『曖昧じゃねぇ』 「では、何か確証があるんですね。 ないとは言わせませんよ」 『ある!』 依然として兄さんは自らの主張を曲げようとしない、 「では見せてもらいましょう」 ただ朝食をとっていただけなのに、何が証明できるというのか。 『証拠はなぁ!』 腕を振り上げる兄さん。 「証拠は?」 振り上げ腕を私の方へと兄さんは振り下ろし…… 『その肉ジャガだァ!』 私の肉ジャガを指さす。 「……はい?」 何だろう……冗談でも言っているのだろうか。 何を言いたいのか理解できない。
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