メロンパンとカプリスその3

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「……おし、行くか。」 靴に履き替え、そう言いながら俺が玄関のドアノブに手をかけた瞬間 『……あ』 突然、由佳里が声を上げる。 「どうした、由佳里?」 『えと、あの……お弁当』 「あ? 弁当?」 そういや今朝はもらってなかったっけか。 『……その ……作り忘れてしまったみたい……です』 「……あー」 ちょっぴしショックな俺。 でも、本当に調子が悪るいんだな由佳里。 『……すみません、兄さん』 うつむきながら謝る由佳里 「いいよ、気にすんな」 -わしゃわしゃ- 俺は何となく由佳里の頭を撫でる 『……兄さん』 「今日は購買でパンでも買えばいいじゃん、 うちの学校の購買のパンて美味いんだぜ」 『ありがとう……ございます』 小さな笑みを浮かべる由佳里。 「おうよ」 朝から沈んだ表情しか見てなかったからか、 由佳里の小さな笑顔に何だか安心した俺なのであった。
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