メロンパンとカプリスその3

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『あははっ、いや、あははははっ!』 依然として止まぬ甲高い笑い声。 「なんなんだよ!」 『ぷくくっ……あははっ、まったく変わらないね君は!』 止まぬ笑い声に少しばかり俺は苛立ちを覚える。 「なんでもいいから笑うのやめろ!」 『……ふぅ。 いや、これは失礼。 あまりにも予想と違ったものでね』 一呼吸してから由佳里はそう答えた。 「ったく。 それで、お父さんの容態はどうなんだ由佳里?」 こんな時に笑うなんてどうしちまったんだ。 まさか、おかしくなるほどショックなことが いや……まさか、 そう思うと受話器を握る手がわずかに汗ばむ。 『まぁ、待て。 君は一つ勘違いをしているんだよ』 俺の焦りを感じとったのか宥めるように彼女は言う。 「勘違いって……なんだよ?」 『いいかい? 私は由佳里ではない』 「……は?」
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