嫌な事ってのは突然来る。

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「……よ、世継ぎっすか?」 『えぇ、世継ぎです』 「えと、具体的に……誰の?」 『当然、御祖父様のです』 じいちゃんの? 「ちょっと待て、 村瀬家ってのは世継ぎとかなんだとか、そんな大層な家なのか?」 そこそこ金持ちなのは知っていたが、 ……知らんぞ世継ぎなんて。 『……はぁ』 また、ため息。 『本当に知らなかったですね……』 「おう」 『……はぁ』 「つか、世継ぎとかなら親父達は? 俺は孫だし、じい様の息子である親父や由佳里の親父はどうなんだよ」 『そんな事は私の知った事ではありません。 全ては御祖父様の決める事ですから』 「……いや、知った事ではありません、って」 すごく重要なトコだろ。 『とにかく世継ぎとして世継ぎらしく、 立派な世継ぎとなってもらうために、この家での生活は私が管理、監督させていただきます』 「……えぇ~」 かくして、 よくわからないままに俺は世継ぎ候補となったのだった。
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