妹なんて萌えないぞ。

さらば俺の楽園

「朝から元気だな、山田」

一応、親友なので朝の挨拶は欠かさない。

一応な。

『当たり前だ！

何たって！

今日はッ！！

入学式だからなァ！！！』

朝から、なんかヤバい薬でもやってんのか？

ぐらいに騒ぐ山田。

と言ってもクラスのみんなは慣れてるので山田の発狂ぶりにも動じない。

「そうだなぁ、入学式だなぁ」

『そう入学式と言えば！』

……入学式と言えば？

『妹系キャラが入るかもしれんチャンス！！』

……あ、午前中で終わりじゃん

『楽しみだな！ハハハハハハ！！！』

楽しみだな、早く家に帰れる、ゲームがタップリとやれる。

……て、家には由佳里がいるんだった。

『最高ォ！』

……最悪だ。

『おら、お前ら講堂に行くぞー』

教室で山田がフィーバーする中、

そんな美代子の言葉でみんな講堂に向かうのであった。

『ハハハハハハハハ！

入学式ィ！』

一人異常なテンションな男も一緒に。

『さっさと行け、山田』

ーゲシッー

『アッハハハハハ！』

……蹴られながらも。

つか、美代子の蹴りを受けても平気とは……しかも笑ってやがる。

なんだ？山田は俺よりHPが高いのか？

あんなロリコン妹萌え野郎が俺より上だと？

……馬鹿な、あれは妹萌え状態の追加効果だと思いたい。