人って場所によって恐ろしいほど性格変わるゎぁ……

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その後、弁当を食べ終り、 やることも得にないので二人で雑談していた。 『……ふぅん、今時世継ぎなんて古風なのね』 せっかくの機会なので、昔っから頼りになる委員長に色々と相談する事にした。 「そうなんだよ」 『まぁ、良いんじゃない。 そのおかげで授業も真面目に受けているようだし』 「それはそうだけど、監視なんて冗談じゃねぇよ」 監視、なんて気持ちのいいもんじゃない。 しかも監視役は由佳里。 『監視……ねぇ。 少し、その考え方を変えてみたら?』 「変える?」 『そ、変えるの。 弘は妹さんをただの厄介者の監視役としか考えてないでしょ?』 「厄介者……て、ほどではないけどそんな感じかも」 『いい? いくら管理監督を任されているとは言え、普通わざわざお弁当なんて作ってくれるかしら。 その程度、高校生なら自分で判断させるのが本人ためじゃない?』 「いや、ついでだって言ってたぜ?」 そうだ、由佳里はついでだと言った。 『ついで……ね、 あのね、お弁当を一つ作るのって結構大変なことよ。 まして、まだ中学から上がったばかりの女の子にはね』 「……確かに」 俺の手元にある綺麗におかずが詰められた弁当。 とても高校生になったばかりの女子が作ったものとは思えない。 『単なる御目付役なら普通はそこまでしない、むしろ貴方の現状を考えるなら少しでも本人に負担させるべきでしょう? お弁当作ったり、普段の炊事洗濯……嘸、大変なことでしょうね。 少し認識を改めなさい、厄介者の監視役としてでなく妹として。 妹さん頑張ってるでしょ?』
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