嫌な事ってのは突然来る。

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ともあれ、そんなこんなで学校に着いた。 そんな俺の気持ちはブルー 空もブルー 山田の眼鏡フレームもブルー。 ……と、さてさて、 現在、わが校は冬休みが終わり、始業式が終わり幾数日。 時は4月、暦の上では春だがこの地域は比較的寒く廊下も地味に寒い。 そんな地味な寒さに体を蝕まれながらも寝不足な俺。 なんだろう……体が重い。 ……と、思いつつも寒いので小走りで向かう。 しかし、その足取りは寝不足で覚束なく…… 「……ぉっと!」 何もないのにこけそうになる……が、 「……!」 ……ッ、前方に女子ニ名発見! ……女子の前でこけて笑われたくない見えっ張りな俺。 死ぬ気で踏ん張る俺。 ……重心を何とか後ろに! ーズルッー 「ふぬッ!」 ぬぉッ、ヤバい後ろに行き過ぎた! まだだ!足を広げてバランスをッ!! ーストンー ……頑張ったが、何故かまたわりしてしまった俺。 「……」 こけなかったが結果こけるより恥ずかしい状態な俺。 そんな状態で見つめ合うこと、幾数秒。 女子二人の内の一人が口を開く。 『……えっ?……なにあれ、なんなの?……今の何?』 『……いや、その、た、たぶん新体操の練習とか……じゃない?』 フォローする、もう一人。 ……おい、やめろ、優しくするな、君のその優しさが時に人を傷つけるんだ。 『そ……そっか! ていうかさ男子でまた割りできるとかすごいよね! ねっ、すごくない!?』 『そ……そうだよ! すごいよ! 練習ガンバッテ!ファイト!』 ……やめろ……やめろよ止めてくれ、そんな目で……そんな優しい目で僕を見るな。 『でもあれ、ウチの新体操の男子ってあった……?』 『あっ……あぅ……えう……う……』 『……』 『……』 「……」 『……なんか、ごめんね……ゴメン』 『うん……ごめん、ごめんね』 「……」 ……気分はブルー 空もブルー 山田の眼鏡フレームもブルー。 「……ふぅ、やっぱりマタワリしねぇと骨盤の調子悪いわァ!」 適当にごまかし教室前にたどり着く。 『……』 『……』 ……ごまかせてんのか? むしろ、傷口を広げてるような気が……なーんてなことは僕は気にしないのです。 ……してないことにしとく。 ……いや、してねぇから……してない……してないんだよ……ホントだよ 、 だから……二人ともそんな悲しい目で僕を見ないでよ…… 。
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