誤解ってのは怖いもんだ

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朝食を終え、学校に行くべく玄関に向かう。 「んじゃ、行ってくらぁ」 『兄さん、待ってください』 「あ?弁当なら持ったぞ」 『違いますよ、食器が片付きましたので、 その……一緒に行きましょう』 「一緒に?」 『はい』 「どこへ?」 『学校へ』 「誰と」 『私と』 「誰が」 『兄さんが』 ……確か、学校では山田が妹ウォチングをしていて、 しかも、山田は由佳里に目をつけている……となれば山田に由佳里の存在を知られる訳には…… 「残念だけど!学校はゴリラのペットは禁止だぜ!つれてけなッ!」 その瞬間ギュッと、由佳里にネクタイを捕まれる 『ハイ?』 「ぜ、是非、ご一緒に学校へ行きましょう」 由佳里にネクタイを掴まれては断れまい、 何故なら断った瞬間、首とお別れをしなければならない……永遠に。 かくして、俺は由佳里と一緒に学校へ行く事となってしまった。 ……後は、山田が遅刻か欠席するのを祈るばかりである。
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