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「んで、やま……」
『裁判長と呼びたまえ!』
さっきから一々途中で遮りやがって……軽くイラッとしてきたぞ。
「それで?
裁判長とやら、俺が何をしたってんだ」
『やかましいわッ!裁判長の許可なしに言葉を発するなッ!』
けっこう……イラッときた。
『被告人、村瀬 弘には妹独占罪と妹誘惑罪の容疑がかかっている。
よって……
……死刑!』
イラッときた。
「オイ待てコラ!んな意味不明な罪状で人を勝手に死刑にすんな!」
『だまらっしゃい!
こっちには証人がいるんだぞ』
あ?証人?
『証人、証言を』
『はい』
「……え、奏!」
何故かそこには由佳里の友人、奏がいた。
『確かに、村瀬さんは篠村さんに“兄さん“と呼ばせていました』
……どうやら、奏はハーフの俺が由佳里の兄であると信じられないらしい。
『はい、死刑~』
「ちょ、待て!」
『やかましい! 妹系の後輩に“兄さん“などと呼ばせるとは、万死に値する!』
「いや、由佳里は従……」
『うぅ!村瀬くんが、そんな不埒な人だとは思わなかったよ!』
いや、ちょ、待ってよ、三河さん。
『Booぅ~Booぅ~Booぅ~最低~』
うるせ黙れ山田。
『おとなしく諦めるんだな!ヒロ!
裁きを受けるがいい!』
『うけるがいい~』
『うけるです』
じりじりと山田、ついでに何故か三河と奏も手をワキワキとさせながらにじり寄ってくる。
「なんだ!その手は……何をする気だ、
止めろ……く、来るなァ!い、いやだ、嫌だ!僕ははまだやっていけるんだァァァァァァァァァァァァ!」
ヒロは力尽きた。
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