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どうしたモノかと思案している間に昼休みィ~。
そろそろ腹が減ってきたが教室には山田がいるので戻りたくない俺。
……つか、なんとなく頭が痛い。
そんな時、保健室に誰かが入ってきた。
『……し、失礼しちゃいまーす』
その入ってきた誰かは真っすぐ俺の寝ているベッドまで歩いてくる。
『お、お兄さ~ん?』
少し怯えた声と一緒にカーテンが開かれる。
「この不埒者に何かご用ですかい?」
そこにいたのは奏だった。
『え~っと、あの……その……
す、すみませんでした!ゆかっちはお兄さんの……その、従妹さんでお父さんが婿養子だから苗字も違くって……その』
どうやら由香里から話を聞いたようだ。
「よくも、この俺を裁判官に売ったな、
なぁ、お嬢ちゃんよ?」
『……ご、ゴメンなさいっ、
……私のせいで保健室に運ばれることになるなんて思ってなかったんです』
……反省はしてるみたいだし……ま、いいか。
「わりぃ、冗談だ」
『……ぇ?』
「それに保健室に運ばれたのは別に関係ないから、気にしなくていいって」
そう、保健室に運ばれたのは限りなく美代子のせい。
『あ、ありがとうございます……うぅ、うっく」
突然、ボロボロと涙を流し泣き出す奏。
「ちょ、な、なんで泣く!?泣くなよ!
俺、なんか悪いことしたか?」
『ち、違います、てっきり怒られると思って、
お兄さん見た目がけっこう……だってチャラし』
……チャラい?
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