246人が本棚に入れています
本棚に追加
「……俺ってチャラいか?」
『……だって髪、金髪じゃないですか。
カラコンまでしちゃって』
「あぁ……うん、それな」
『……?』
「まぁ……なんだ、いわゆるハーフってやつでさ」
ハンカチで涙を拭いつつ俺は答える、
詳しくは知らないが俺の母親はアメリカの出身らしい。
『……ハーフ?』
マジですか?と言わんばかりの顔をする奏。
俺の事を初めて知った人はみんなこんな感じだ。
「そういうこと」
『そうだったんですか……てっきりお兄さんは不良さんなのかと』
「まぁ、
そう思われても仕方ないよな」
事実、昔は荒れてた訳だし。
『……その、
大変そうですねイロイロと』
「そうでもないよ、
だいたいの人は説明したらわかってくれるし」
うちの学校は大した不良はいないし、
わざわざ髪色やらで絡んでくる奴はいない。
『なんか誤解しまくりでホントにゴメンなさい』
と、深々と頭を下げる奏。
「いいっていいって、気にすんな」
『ありがとうございます、
その……お兄さんが優しい人で良かったです」
誤解が解け、奏の涙も止まりでなによりである。
最初のコメントを投稿しよう!