ヒロの休日 一日目

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急いで階段を駆け降りる、 ードンドンドンー 「ぅおッ!」 ーズルッー 焦りすぎて足を滑らしてしまう俺。 「ぬぐおォォォォォォあ!」 ……その刹那、俺は悟った。 ……あぁ駄目だ……死ぬ……俺の人生終わった。 ……できることなら最後にチンジャオロースが食いたかった……ぜ。 ……と。 ひっくり返り、天と地が逆転する ードスッー ……痛ェ 「……」 逆さの視界、その彼方から一人の少女が歩いてくる あぁ、向こうから天使が……お迎えがきたぜ。 「……天国ってあるんだね」 『何やってるんですか?兄さん?』 ……きっと向こうでばぁちゃんが待ってるぜ 「たかが遅刻のためなんかでこの歳であの世行きとは……無念」 『はい?大丈夫ですか? 兄さん、学校は三連休で休みですよ?』 …… ……あ? だんだんと混乱していた意識がはっきりしてくる ……あれ?天使やない?由佳里?は、三連休? 「……マジっすか」 『マジですよ』 「……」 彼方より歩み寄りし天使は俺を天国から蹴り落とし、一気に現実へと引き戻した。 ……つまり、なんだ、 俺は寝ぼけて勝手に勘違いをし焦り階段から滑り落ちた訳か。 ……ただのアホやん、俺。
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