ヒロの休日 一日目

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とりあえずリビングに入ると、 洗濯でもしていたのか窓辺で由佳里が服を畳んでいた。 「いつの間に洗濯してたん?由佳里?」 『兄さんが勉強をしている間にです』 「なんと、いつの間に」 気がつかなかったぜ 『洗濯物を取りに兄さんの部屋にも入ったんですよ?』 「え!マジで?」 『ずいぶんと集中しているようでしたので話し掛けませんでしたが、 部屋に入ったおかげで兄さんの趣味やら、お笑い情報の古さを知ることができました』 趣味……恥ずかしいな、 ……ん?お笑い情報の古さ? 「何を言う、 ハルミは今をときめくお笑い芸人じゃねぇか」 『ハルミ……ですか? 私はあまりその手の番組は見ませんが、 そう言えば随分と前からテレビで見かけなくなりましたね』 !!? 「な、なんだって!? ハルミを見かけない?!なんか新しくサンバネタもやってたじゃん!」 『はぁ、随分と古い情報ですね、 きっとゲームばかりやってたから情報が古いんでしょうね』 マジで!?ハルミはもう過去の人ですか? 「……あ、ありえねー」 『まぁ、そんな事はどうでもいいですから、 このメモに書いてある物を買って来てくださいね』 「馬鹿な……ショッキン、グーだよ」 ショッキン、グーな状態になりながらも、 金とメモを渡され放心状態で家を出た。
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