ヒロの休日 一日目

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『いただきます』 「いただきま~す」 食卓には立派な夕食が並んでいた、 ……なんと言うか、凄い。 何が凄いかと言うと、予定していたメニューを急遽、変えたにも関わらず、 そこにはごく当たり前のように夕食が並んでいる。 「美味い」 しかも、美味い。 「美味い」 あまりの美味さに二度同じ言葉を言う。 『大袈裟ですよ、いつも食べてるじゃないですか。 私の料理なんて大したことないです』 と言うが由佳里は褒められてうれしいのか、 少しばかり口元をほころばせている。 「いやいや、大したことあるって」 『……』 …気のせいか由佳里の顔が赤い。 「……? 由佳里、顔が赤いけど熱でもあんのか?」 『な、な、何を言ってんですか!赤くありません!照れてなんいません!照れてないかいません!』 否定するが、由佳里の顔は依然として赤い。 照れてるのか?なんて聞いてないのだが、 ……ようするに由佳里は照れているらしい。 そんな由佳里をみると、ほんの少しだけ礼を言えたような気がした。
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