ヒロの休日 二日目

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数十分後、 まだ霞んじゃいるが、何とか見えるまでに目は回復していた。 「上着ろよ上を!警察に通報すんぞ!」 まだ上半身を露出してやがる。 『照れんなよ☆顔赤いぞ☆』 「照れてねぇよ、赤くねぇよ、むしろ顔面蒼白だよ!着ろ上を、着ろ!」 『しゃーねぇなァ』 やっと上を着るおっさん。 『まぁ、上がってけや!チンジャー』 「あのなぁ、俺は買い物しに来たんだよ、そんな暇はないっつーの」 そう、買い物。 また昨日のような事になったら、 今度こそ我が家のゴリラ様に殺されてしまう。 『ほー使いか?偉ェな、 ほんで何買うんだ?』 偉いのは僕ではありません、ゴリラ様です。 「おっさんには関係ないだろ」 『いいから教えろよ☆』 と顔を近づけるおっさん、気色悪い 「近い!しょうがねーな、えと、あれ何だっけ……あ、メモメモ」 とりあえずおっさんの顔を退けて、メモを取り出すと、 『あらよっと!……ふむふむ』 それを引ったくるおっさん 「おい、返せコラッ!」 『鯵はこれでヨシ!』 と鯵を取り出し俺に渡す。 「お、おい!」 『んで後は文絵に買いに行って貰うとして』 「オイコラ、聞いてんのかおっさん!」 『という訳で!上がってけ☆』 とおっさん、気色悪い 「アホか!てめッ誰が上がって……」 『あがってけ☆』 と、ふみなちゃん。 「おじゃましまーす」 と、俺。 見事にふみなちゃんに篭絡されたのであった。
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