ヒロの休日 二日目

14/45
前へ
/363ページ
次へ
魚屋から離れること数分、 俺は商店街の近くの公園に来ていた。 「……なぁ、ふみなちゃん」 『……むぅ』 困った事に、ふみなちゃんの機嫌を損ねてしまったようだ、 「いや、仕方なかったんだよ」 『むぅっ』 「……なんと言うか、あれは大人が読む本つーか」 『ふみな大人だもん!』 「……えっと、その男限定つーか」 『むぅ、そーゆーの、さべつってゆーんだよ、わるいことなんだよ』 「いや、別に差別って訳じゃないんだけどさ」 『むぅ』 と、ふみなちゃんはトコトコとベンチまで歩き、 ベンチの上に腕組みをしながら座り、口を閉ざしてしまう。 とりあえず、隣に座るが、 ふみなちゃんは頬を膨らましたまま黙ってしまった。 ……どうすればいいんだ。
/363ページ

最初のコメントを投稿しよう!

246人が本棚に入れています
本棚に追加