消えゆくおもひで

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「――きて」 ……誰かが《僕》を呼ぶ声がする。 「――起きて」 何を言っているの?さっぱりわからない。 「起きて下さい!!」 誰かが《僕》を呼ぶ。僕はその声に起こされるように身体を起こした。 「よかったよ、お兄ちゃん」 気がつくと《僕》は見知らぬ所にいた。薬臭い部屋、妙にケガをしている人の多い部屋に。 「それにしても何があったの?お兄ちゃん。いきなり病院にいるなんて電話が来たから行ってみたら本当にいるんだもん。びっくりしちゃったよ」 ストレートでロングに水色の髪の子 さっきから誰かが《僕》に話しかけている。誰なんだ。《僕》にこんなに親しげに話しかけてくるのは。
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