消えゆくおもひで

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話が終わると女の子は僕の元へと戻ってきた。きのせいか、どこか重たい雰囲気だ。 「あの……ね。お兄ちゃん。どうかショックを受けないんで、欲しいんだ。」 女の子は言いにくそうにこう告げた。 「お兄ちゃんは、ね、記憶喪失何だよ。」 …………えっ? 僕は彼女が何を言ってるのか、いや言ってる事の意味がわからなかった。 僕が? 「で、でも一時的なものだから」 「ちょっと待って。僕が記憶喪失って……何?」 僕は頭の中が混乱しつつあった。 「それじゃぁ聞くけど、自分の名前……思い出せる?」 「そのくらい……出来――」 言いかけて、僕はやめた。 僕の名前――僕の僕の僕の僕の!! 「うっっっいっつぅぅ!!」 思いだそうとした、その時、頭から激しい激痛が走った。 「まだ傷が治ってないんだから、ほら、無理に思い出さなくていいよ」 女の子はそういうと濡れタオルを僕の頭に乗せてくれた。
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