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閑静な住宅地に建つ一軒家に、祐次はインターフォンを押すことなく、自分の持つ鍵で玄関のドアを開けた。
中はシーンと静まり返っているが、奥の部屋からうっすらと明かりが漏れている。
祐次はいつもの様に、ダイニングへと向かって、電気を点けると、
ラップに掛けられたテーブルの上の冷めたオカズに冷めた視線を落とした。
そのまま冷蔵庫を明け、ペットボトルの水を取って、ぐい飲みすると、ダイニングの電気を消し、廊下へと出た。
階段下で一旦立ち止まり、奥の部屋から漏れる光を、ぼんやり見つめると、諦めるような眼差しで階段を上がっていった。
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