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机の蛍光灯だけ点けると、卓上に置かれた一冊のブルーノートの、
「愛するということ」
というタイトルのページを開き見て、鉛筆で、消し去るようにバツマークをかきなぐった。
そして、新しいページを開いて
『愛するということ』と書くと、静かに窓の方に視線を向けた。
窓下のベッドを照らす穏やかな月明かりを見ながら、祐次は、亡くなった優を思い出した。
そして視線をノートに戻し、鉛筆を走らせた――
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