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「こんなこと、誰かに話したのも初めてだな……」
「そう? いつでも聞くぜ」
「ありがとう」
チラリと目線を向け微笑んだ未知に、僚の胸がドキンと跳ねた。
未知はまた夜空を見上げる。
「合唱コンクール、頑張りたいね」
「お、おう」
未知は夜空に向かって手を差し出すと、パッと表情を明るくして僚に振り向いた。
「ねぇ、見て! 月が手の上に乗ってるよ」
未知と肩を並べて空を見ると欠けた月が未知の手の上にあった。
無邪気に嬉しそうな未知の横顔に、僚は見惚れた。
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