日常。いつもの地底街。

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「さて、これからどうしますか……  行く宛は無いですからね……  地上の人間が来た時にスムーズに地霊殿にたどり着けるように一応細工をしておきますか」  街に降り、適当に見つけた酒場に入り、適当に中にいる者に声をかける 「少し聞きたい事があるのだが  星熊殿がどこにいるかは知らぬか?」  酔っ払いが声をかけられると顔をしかめ、さらに星熊と聞いた途端に明らかに嫌そうな顔をする 「勇儀さんならちょっと出かけてくるって言ってさっき出てったぜ」  嫌そうな顔をしながらも答える酔っ払い 「そうか、分かった  感謝するぞ」  津蛇が酒場から出る 「おい、待てよ  人にもの聞いといて感謝の言葉だけか!?  金払えよ  それともなんだ?やるのか?」  しかし、酔っ払いが津蛇の服の袖を掴み言う 「ふぅ……これだから下郎共は好きになれない  そこまで相手をしてほしいなら相手をしてやる」  周りの酔っ払いや喧嘩が始まると聞いて、いつのまにか現れた野次馬共も 「やっちまえー」「そんな優男一ひねりだ」  と言いたい事を言いたい放題である 「おう!こんな喧嘩五分以内に終わらせてやらぁ!」  酔っ払いが民衆に叫ぶ 「いや、五分もかかりませんよ  一分で全て終わります  先に言っときますが私は歩いてあなたに近づき、あなたに降参かを問う  そしてあなたが敗北を認める。ただそれだけですよ」  余裕げに笑いながら言う津蛇
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