とある魔術の禁書目録

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「―――うるっせえんだよ、ド素人が!!」 「知ったような口を利くな!! 私達が今までどんな気持ちであの子の記憶を奪っていったと思ってるんですか!? 分かるんですか、あなたなんかに一体何が! あなたはステイルが殺人狂だとか言いましたけどね、アレが一体どんな気持ちであの子とあなたを見てたと思ってるんですか!? 一体どれほど苦しんで! どれほどの決意の下に敵を名乗っているのか! 大切な仲間のために泥を被り続けるステイルの気持ちが、あなたなんかに分かるんですか!!」 「……!?」 「私達だって頑張ったよ、頑張ったんですよ! 春を過ごし夏を過ごし秋を過ごし冬を過ごし! 思い出を作って忘れないようにたった一つの約束をして日記や写真を胸に抱かせて!」 「……、それでも、ダメだったんですよ」 「日記を見ても、アルバムの写真を眺めても……あの子はね、ゴメンなさいって言うんですよ。それでも、一から思い出を作り直しても、何度繰り返しても、家族も、親友も、恋人も、全て……ゼロに還る」 「私達はもう耐えられません。 これ以上、彼女の笑顔を見続けるなんて、不可能です」 「……、」 「ふ、ざけんな……、」 「んなモンは、テメェらの勝手な理屈だろうが。 インデックスの事なんざ一瞬も考えてねえじゃねえか! 笑わせんじゃねえ、テメェらの臆病のツケをインデックスに押し付けてんじゃねえぞ!!」 「じゃあ。他に……どんな道があったと言うんですかッ!」 「テメェらがもう少し強ければ……」 「……テメェらがウソを貫き通せるほどの偽善使いだったら! 一年の記憶を失うのが怖かったら、次の一年にもっと幸せな記憶を与えてやれば! 記憶を失うのが怖くないぐらいの幸せが待ってるって分かっていれば、もう誰も逃げ出す必要なんざねえんだから! たったそれだけの事だろうが!!」 「その、体で……戦うつもりですか?」 「……、うる、せえよ」 「戦って何になるんですか?」 「たとえ私を倒した所で、背後には必要悪の教会が控えています。私はロンドンで一〇本の指に入る魔術師と言いましたが、それでも上はいるんですよ。……教会全体から見れば私など、こんな極東の島国に出張させられるような下っ端にすぎません」 まとめるのが下手なので、次ページに続かせてもらいます
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