†ボロボロの旅程†

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「あのぉ。T市農業委員会様のバス到着なんですが‥」   バタバタと忙しく動く店員を捕まえて声をかける。 ただ昼食を食べにきたのでは、ない。視察しに来たのだから…。   ―多分2階に用意されてる?   ところが店員の答えは、アタシの不安を現実にした。   「はぁ~い。着いたんなら並んでて下さい。」   ―はぁ?何の為の入り込み電話?炎天下の中で高齢者を並ばすだと?   行列は30名以上。その後ろに並んで待てと? 代表でアタシが並ぶ提案をしたところ「お偉いさんだからって特別扱いはしない。」 「一時間位並んで待つのも成功した俺の店の視察のうち。」 「食わせたいならさっさと並んでもらわなきゃ。」   その通りです。 全くごもっともな意見。 ただ…予め料理も席も用意せず食べたい奴は並べ! なんて時間で管理する団体旅行では、到底組み込んじゃいけない発想。 直接手配の恐ろしさの幕開けです。    
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