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すると、明の顔が真剣なものに変わった。
あ「もう、わかっていると思うが・・・・・・風波組(かぜなみ)・・・・あいつが動き始めた。」
ギュッ
魅織は、右手で左腕をにぎった。
み「そうみたいだね。・・・・・・・・・・・・知ってたよ。」
魅織は、表情をかえずに言ったが、腕を握っている手に力をいれているのを明はきずいていた。
明は、そんな魅織を見て真剣な顔から心配そうな顔に変わった。
あ「やはり知っていたか・・・・・。」
み「うん。いつも以上にクロ達が騒いでいたからね・・・・。」
あ「そうか・・・・・・・。」
魅織は、クロの頭をなでて屋上の手すりの上に飛び乗った。
それを見た明は、ちょっと暗いテンションからさっき屋上に入った時のテンションにかわった。
あ「悠惟(ゆうい)と叶(きょう)を連れていかなくていいのか??」
み「いいよ。だって・・・・・あいつら邪魔するんだもん。」
魅織は、クロを肩に乗せた。
あ「光(こう)もつれていかないつもりか?」
み「・・・・・・・あの子には、あの子のやらなくちゃならない事がある。それに、あの子はまだ弱すぎる。だから、あの子を連れていくわけにはいかない。」
魅織の後ろ姿は、寂しそうだった。
あ「そうか・・・・・・・。そういえば、今日は何の仕事なんだ??????」
すると、魅織は楽しそうな顔で振り返った。
み「松下組潰し♪あいつら薬に手を出しちゃったからね。ま、やり方が汚かったからちょうどよかったんだけど・・・。」
そんな、楽しそうに言う魅織を見て明も小さく笑った。
あ「そうか♪程々にな。」
み「わかってるよ。それじゃ、行ってきます。」
魅織は、手すりから飛び降りた。
あ「・・・・・きれいな月だ。」
明は、一言そういうと階段に向かって歩いていった。
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