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「ここが俺の家。朱希菜も今日からはここに住みなよ。」
それは広くもなく狭くもない家だった。
平屋で部屋は二つ。リビングがあって、近くにキッチンがある。
お風呂場とトイレがあって、住むことに困らない家。
「いつか、朱希菜を探し出せたら一緒に住めるように、二人の家を与えて貰ったんだよ。」
「へぇ。………ん?与えて貰った?」
雪夜の説明を部屋を見渡しながら聞いていた朱希菜は、雪夜を振り返って先程引っ掛かった言葉を繰り返した。
「あぁ。光輝国の姫様にね。まぁ、姫様って柄じゃないけどね。」
その疑問に雪夜は相変わらず笑顔のまま、優しく答えた。
「そなんだ。」
(姫様らしくない姫様ってかなりのお転婆って事か?)
「うん。あ………朱希菜を姫様に会わせなきゃいけなかったね。」
雪夜は本当に忘れていたらしく、思い出したように言うと朱希菜を連れて光輝国の城へと向かった。
と言っても、そんなに離れてる訳じゃなく歩いて五分もかからないのだが。
城に着くと、雪夜は謁見の間へと向かう。
謁見の間へと着くと、雪夜はドアを二回ほどノックした。
「はい。」
「雪夜です。」
「どうぞ。」
中からとても良く通る綺麗な声が聞こえ、雪夜たちは中へと足を踏み入れた。
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