プロローグ

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「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい……私が行けば終わる?兄ちゃん、死なない?」 僅か4歳程の少女は目の前の10程上だろう少年に謝り続けている。 それは見ていたら痛々しいほど。 少年は少女に向かって頷くと、少女に手を差し出した。 「おいで。朱希菜(アキナ)。」 少女、朱希菜は恐る恐るその手に自分の手を伸ばした。 「ごめんなさい。ごめんなさい。兄ちゃん…ごめんなさい…」 少女の隣には横たわる少年。 その少年は少女と同じ年の双子の兄のようだった。 同じ顔のその少年は背中から血を流し倒れている。 まだ息がある少年は少女に向かって呟くように言う。 「行くな…朱希、菜…行っちゃ……ダ、メだ。」 「大丈夫だよ。いつかまた会おうね。兄ちゃん……雪夜(ユキヤ)。」
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