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はぁ…。
文化祭前までは飽きるほどずっと一緒に居たから、ソレが普通だと思っていた。
今はまた部活動したり、遊び行ったり…今までならこれ以上楽しい事って無いと思っていたから。
足りひん…。右隣を少し見上げてもまっちろで真面目な顔した奴は居ない。
「さっきから溜め息ばっかりやん?どないしてん…」
「あ?…溜め息しとった?」
ストレッチしていた手を止め部活の仲間を見上げる。
「ぉん。恋する乙女ばりのやつな…」
ニヤニヤと全体重を掛けて背中に被さってくる。ふざけて言っているのは分かっている。今の井本は苛々と気恥ずかしさから何も言い返せずにいた。
「…え?ホンマに恋しちゃってるん?誰や!だれやー」
反応が通常よりだいぶ薄い井本に勘違いしてストレッチそっちのけで隣に座り肩を組む。
「…だれって…」
言える訳無いやろが!
と、言えずに頭を占める奴に舌打ちをした。
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